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注・これは自作ではありません

軽トラ、オーバーヒートの修理(スバル サンバー)

それは突然の出来事でした。水温計が上限まで上昇しているではありませんか。急いでエンジンを止め整備工場へ連絡、引き取ってすぐに直るものと思っていました。
水漏れ箇所は道中の配管。サンバーはリアエンジンでフロントにラジエターがあり、その間の配管が長いのでトラブルが多いそうです。そこを直せば直るかもしれないけれど、最悪エンジンにダメージがあればエンジン乗せ替えになるという…。なんとか一縷の望みをかけて配管の交換修理を頼んだが、結果はクロ、どうもエンジン逝っちゃったみたいです。
となれば、ここまで走行したクルマなので(この時点で走行24万キロ)、廃車して新車を買おう、と思っていました。

そこで、これはいい教材やん、とばらし始めたのが運のつき、それをかぎつけたバイク仲間がやってきて、

「こんだけ道具が揃っているのになぜ直さない?」

といわれ、そういえばそうかな、と。若かりし頃はバイクのエンジンをばらしては組み立て、ボアアップとかハイカムとか入れて遊んでいました。が、しょせん単気筒、このサンバーは軽なのに4気筒、その差はでかい。まあダメで元々遊んでみよう、ということになりました。


まずはばらす前のエンジン。たいそう汚れています。また赤帽専用の赤いヘッドカバーもボロボロになっています。

 

リブベルトを外し、クランクプーリーを外します。かなりのトルクで締まっているのでどうやって緩めようか。
ネットで調べたらレンチをリアのショックのスプリングに引っ掛けてセル一発、という方法があったのでそれでやってみたけれど、一発では外れず。けれど、3回目くらいで緩みました。
その後はプーラーで外すのだけど、バイク用のしかなくて、しかたなくショック用のスプリングコンプレッサーを逆利用して外しました。

 

ついでカバー類を外し、タイミングベルトを外します。錆び錆びでした。

 

ヘッドカバーを外します。ついでエキマニやインマニなどなどくっついているものを外します。

 

ヘッドカバーをあけました。バルブが見えました。CLOVER4なんて書いてあるから4バルブかと思ったらただの2バルブでした。

 

ヘッドが外れました。冷却水が出てきます。

 

これはヘッドを外したときにラインからもれてきたものなのか、長らくの放置でたまっていたものなのかは不明です。

 

ヘッドカバーの裏。油汚れですが、走行距離の割に思ったほどでもない感じ。

 

ロッカーアーム類も同じく。

 

カムシャフトを外し、バルブをコンプレッサーを使って外します。

 

バルブ類は順番どおりにおいておき、ヘッド共に洗浄します。

 

きれいになった腰上部品。

 

ヘッドを定盤に乗せてひずみ測定。かなり反ってるのかと思ったけれど、汚れ程度でほとんど狂いはなかった。

 

けれど、せっかくなので研磨。ガスケットの跡があるけど、このへんでまあいいや。

 

高性能を突き詰めるわけじゃないので、ポートもざっと汚れを取っただけ。

 

といいながら、バルブのすり合わせ。タコ棒なんて久しぶり。

 

光明丹で当たりの確認。きれいに当たりました。

 

バルブステムシールの交換。安い部品。

 

トルクレンチを使って規定のトルクでヘッド組み立て。数値は「サンバー ヘッド トルク」などで検索すれば出てきます。

 

これが破れたガスケット。3枚重ねがはがれてきて、真ん中の素材の朽ち具合がひどかったです。

 

左から、24万キロ後、新品、新品です。真ん中が汎用品で安かったのだが、その後赤帽純正部品が手に入った。(右)
値段が3倍くらい違う。ここまで違うとなんかありそうで、純正にした。

 

素材がずいぶんと違うのであった。これはシリンダーに載せたガスケット。

 

悩ませたのがこれ。インマニのガスケット。こんなに小さくてフラットなものだから、これがガスケットだと気が付かなかった。
外さない状態を見て、これがガスケットに見えますか?カチカチに硬化していたし。
これはネットの情報とずいぶん違った。 ネットでは紙ガスケットみたいなのだった。赤帽専用か?

 

これもわからなかった。エキマニのガスケット。カバーだと思っていたわ。

 

左、やっちまった!の図。右に見える同じ部品の黒いガスケット、これだけ単体であると思ってはがしてきれいにしたら、なんと「単体ではありません」とのこと。けれど、液体ガスケットが塗ってあるだけみたい。液体ガスケット1215を塗るだけでよかったのかも?

 

組みあがったヘッドを乗せていきます。指定トルクだけでなく、締め付け順序まで決まっていた…。

 

なんかきれい過ぎて違和感。元通りに組んでいきます。

 

こちらはウォーターポンプ。純正ではないがアイシン製なのでアンシン。水周りのトラブルだったので、交換しておこう。
しかし、国産車のパーツは安くて助かる。3000円なり。

 

サビサビだったところがきれいに。タイミングベルトもテンショナーも新品に交換。これらも安い。2つで3000円。
画像はテンショナーを取り付ける前です。

 

さて、その頃、ヘッドカバーは、というと、サンドブラストで古い塗装をはがしてきれいにします。

 

耐熱ペイントで塗装。もちろん赤。でもツヤありすぎ。

 

薪ストーブの上で焼いて乾燥・硬化させます。

 

ここまでくれば自己満足以外なにものでもなくて…。CLOVER4の文字を緑で入れました。

 

完成。まさしく赤帽。

 

さて、最後にマフラーです。もう錆びてズタボロだったので、ついでに交換します。

 

マウントもボロボロで、これは固定ネジが折れてしまいました。鉄にネジが溶接してあり、ゴムが強力接着されサンドイッチ状態になっています。ゴムの上から溶接はできんし、どうしよう…。

 

ならば、反対側から穴を開けて…、表はボルト径、裏はネジのアタマが通るよう大きめを。

 

そこにボルトを突っ込んじゃえ。はい、完成。

 

とりあえず完成したら、頭を冷やすため1日放置して、翌日にいよいよクーラントを入れて火入れです。ドキドキ。

サンバーは冷却水のエア抜きが大変とのこと、エア抜きバルブが3箇所(後日気が付いたがもう1つあって計4箇所か?)、全部開放して水が流れ出したら順に止めていきます。
そして、エンジン始動、あら、なんかあっけなくかかってしまったわ。水温計を見ながら、そして放射温度計で配管の温度を測りながらしばし待つ。ファンがまわりだしたらいったんエンジンを止め、冷えるのを待ってラジエターにクーラント補給、というのを数回繰り返したが、なぜかヒーターが効かない。どうもフロントまで温水が回ってきていないようす。エア噛みなんやろね。

そこで、順にエア抜き栓を開けていき、あふれるまで補充、という工程を繰り返したら、数回後に無事あったかい風が出てくるようになりました。そのあとも数回エンジンをかけたり切ったりを繰り返しラジエター、リザーバータンクの量も確認してエア抜き完了です。

(↓この写真は運転席足元にあるヒーター部のエア抜きバルブ。カバーに隠れて見えないので、知らないと気が付かない)

 

完成した。赤いヘッドカバーがやっぱええな〜。マフラーのステーもサビサビだったのでペイントしたが耐熱塗料が赤しかなかったのでこうなってしまった…。

 

ほか、ついでに交換したところはリアのショック。これも錆びてボロボロだったので。機能的には抜けてしまっているわけではなかったけれど。今回、純正ではなくカヤバ製に。まあブランドで決めたわけじゃなく、安かっただけなんですけどね。

 

そして、オイルもエレメント込みで交換、マフラーは本体のみで遮熱板は無し。取り付け部分が朽ちて、外したが最後再取り付け不可だったため。触媒の部分のカバーだけは付けようと思うが。

それと、サビサビだったボディの手の届く範囲だけですが、シャシーブラックを塗装、それでもボディ下にもぐってできるだけは塗っておいた。

 

その後、車検と通さないと走れないので、車検整備。といっても、日常点検に毛が生えた程度。しかし、ホーンが鳴らないのはちょっと難儀した。リレーは正常だし、ホーン自体も問題なし。途中のハーネスがネズミがかじったか断線していたので、それをつないだが、それでも反応なし。
そこ以外のどっかも切れているとしかいいようがないが、見つけられず。そうなればしょうがない、新たに配線引きなおし。まあこのへんは得意分野なのだがめんどくさい。が、鳴るようになってこれでOK。

他も異常なさそうだが、問題はテールライトの明るさが左右で違う。前もそうだったけれど、このパーツ自体水が入りやすくバルブの口金が錆びやすくアース不良になりやすいようです。右は数年前に交換済みなので問題ないが、左が点くことはつくがひょっとして…。

 

車検当日。

洗車もして準備ばんたん、予約時間よりも早くついてこりゃ昼までで終わるな、と思ったが、なんとなんと、こんな時になってテールライトが左点かず…。なんてこったい。
今日はぜったいOKだと思ってたから、道具持ってないし。急いでムサシへ走り、やっすいドライバーを買い、ばらす。けれど、そうしてみると点くし。再度検査場へ。けど、また点かない。んも〜。

触っていたらバルブのソケットがボロボロこぼれて、もうどうしようもない状態に…。いったん家まで帰って直すか、と思ったが、そんな時間はないし。ならば、あるもので直そう、と、ドラゴンボールのブルマじゃないけど、クルマの中で不要な配線を数本もらいライトに移植、道具もドライバー1本しかないから、歯で切り、被覆も歯で剥く。いざとなったらもうなんでもやる。ドライバー1本でもけっこうなんでもできるもんだ。しかし、手は血だらけ、汗だらだら、なんか腹が立って涙もでてくるし、ということで、文字通り血と汗と涙の結晶、それでようやく合格、時計は午後2時をまわっていました…。

 

なんと、目の前には合法的にあと2年は乗れる軽トラがあります。
捨てる寸前でした。新しいハイゼット、それもピンクかオレンジを買う予定でした。が、やはり赤帽仕様のサンバーにしかない快適さ、そして、このグレードと同等のものを買おうと思ったらオプション満載じゃないとそうならない。必然的に価格も上昇、手が届かなくなる…。

とりあえずあと数年乗って、その間にハイゼット基金をためておこう。とりあえず、エンジンは腰上だけだけれどリフレッシュしたが、また次なる不良箇所がでてくる可能性は大きいのであった。