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冷蔵機能付スモーカー

ベーコンなど食肉加工品の多くは、製造工程にスモーク(燻煙)をかけなければなりません。試作段階の初期頃にはコンロにかける簡易なタイプ、またその後は木の箱で作ったものでやってきましたが、衛生上ステンレス素材のほうがいいし、大量にセッティングできるようちょっと大きめのを作りました。

 

・箱

箱からステンレスで作るとなるとかなり大変なので、ステンレス製の箱を使うことに。真っ先に浮かぶのが業務用の冷蔵庫です。さっそく探し出し、オークションで落札、引き取りに行けば、昔大屋町内で働いていたことのある、知り合いの知り合いということがわかり、世間は狭いもんだなぁ、と、お互いにしゃべりあったものです…。


(業務用ではちょっと珍しいというかシェアの低いナショナル製)

 

・耐熱改造

冷蔵庫なので低いほうの温度にはいいのですが、100度にもならないもののそこそこ高温になるので、耐熱性の低いプラスチック部分などをはずして耐熱性断熱材を入れ、表面はステンレス板を張ります。


(プラ製の扉の内装なので、)


(はずして、)


(これまた剥がして、)


(断熱材を入れてステン板を貼ります)


(4枚とも作ります)

 

・棚板加工

お肉などを吊るすのに、冷蔵庫の中にある棚を使おうと思いましたが、これもプラでコーティングしてあるものでしたので、使えません。
ステンレス棒で作ります。が、たくさん必要ないので2枚だけ。1枚は吊るす用、もう1枚は受け皿を置くところです。


(付属の白い棚)


(ステン棒を溶接し製作)

 

・ヒーター設置

以前手に入れて眠っていた200V用のヒーター棒があったので、それを床に敷いて使う予定でした。3本でデルタ結線で三相で使えます。
しかし、思ったほど温度が上がらず設計変更となります…。


(こんなヒーター)


(底にはレンガを敷きます)


(ヒーターを組んで鉄板をおきましたが、失敗でした。)

けっきょく最後にどうしたかというと、業務用の電気コンロを置くことにしました。お手軽ですし、簡単に外して掃除もできます。
壊れたときもすぐに交換可能なので安心です。

 

・部品

さて、部品の手配も終わり、必要なものがそろってきました。タイマー、スイッチ、温度調節機、リレー、電源などなど。
オークションで落札したのもあり、monotaroで買ったのもあり、色々ですが、今やほとんどネットでの購入です。
スイッチ1つ探しに大阪日本橋まで行ってた頃が懐かしい。


(こまごま部品です)


(ちょっと大きな部品などなど)

 

・パネル加工

業務用の冷蔵庫なんてそっけないもんで、図体はでかいのに温度表示パネルがあるだけ。温度調整もほとんど触らないからパネルの裏にあるものばかり。
逆にそんな状態ですから、その空いた部分にスイッチやコントローラーを埋め込むことにしました。
穴を開ける原寸大の型紙をつくり、穴を開けていきます。丸い穴はホールソーで、四角い穴は4隅に穴を開けたあと、ジグソーで切り抜いてヤスリで仕上げます。ここはステンなのでそれ用の刃で開けていきます。型紙にそってポンチなどマーキング後、表面はマスキングテープで覆い、傷防止です。


(穴あけ位置を原寸大で)


(四角い穴)


(丸い穴)

 

・配線

いよいよ配線です。チャート的にはそんなに難しいことはないのですが、ベーコンとソーセージでは加熱時間や保持時間の設定が違うし、センサー位置も違うので、ワンタッチで切り替えできるように、またボイルの温度管理もここでコントロールできるように、そして、換気扇も連動とか、また庫内ファンや温度センサーも上下2つ付けて庫内の温度差を極力なくすよう、いちおうそれなりの工夫というか制御をしています。

ちなみに、スモークとボイルは同時使用ができるよう、それぞれ単独で2回路独立させています。

そしてポイントはスモークが終われば自動的に冷蔵庫になる、というところ。もともとの機能を生かさねばもったいない!


(パネル部分にスイッチなど埋め込み配線開始)


(こちらは制御回路部分)


(とりあえず操作部と制御部を仮配線)


(ちょっとオーバースペックな部品もあるがぴったり箱に収まった)


(スイッチは自光式(字光式?)なので、透明シートにスイッチ名を印刷して作りました)


(こんな感じ)

 

・完成

やはり、試運転で思わぬ動作をすることがあったので、そのバグつぶし(というか単に配線し直し)が必要で、安心して使えるようになるにはそれなりの時間がかかりましたが、満足のいくものができました。

が、自動といっても、温度や時間の設定は中に入れるものの状態、その日の気温などによってまったく違ってきますので、そこは勘と経験でそれらを入力します。PID制御で急な温度変化に対応できるようにしていますが、それでも温度の変化時間によっても設定を途中で変えることもあるので、これを使う日は目を放せないのが事実です。

どちらかというと、“自動”というより設定以上に温度が上がらない“安全機能”、と言ったほうが正解かもしれません。


(できました〜)